E.T.

1982年の冬、人差し指の先っちょと先っちょをくっつけて「イ〜ティ〜」と言うギャグが大流行しました。その年の興行成績第一位を記録した大ヒット映画『E.T.』のなかで、少年エリオットと宇宙生物E.T.がやっていた挨拶を真似たギャグです。当時小学生だった私の周りでも、このギャグはたいへんな盛り上がりを見せており、猫も杓子もE.T.気どりといったご様子でした。しかし、私には「イ〜ティ〜」をした記憶がありません。私には少年エリオットと宇宙生物E.T.のように、心を通わせることができる親友がいなかったのです。先日、インターネットを介して出会った恋人と、生まれて初めて「イ〜ティ〜」をやりました。私にとってのE.T.はインターネットだったのです。