すぐに出かけなければならない用事があるため、女に「早く食べてね」と言われているというのに、おっさんは「あ!親知らずだ!」と言うと、口の中に指を突っ込んで歯をいじくりだして、全然食べようとしない。「ちょっと上着を取ってくる」と言って家に入って行ったおっさんが、いつになっても戻って来ないので、痺れを切らした女が様子を見に行ってみると、おっさんは階段に腰かけて頭を抱えて泣いていた。おっさんのややこしさに「いくらなんでもややこしすぎるのではないか…」と不安な気持ちになりましたが、この程度のややこしさはまだ序の口でした。その後、ややこしいおっさんは戦争に巻き込まれて、ややこしさに磨きをかけることになります。戦争にビビりすぎていたところに、無理に人殺しをさせられたことによって、ややこしいおっさんは暴力に目覚めてしまいました。ややこしいおっさんは凶暴なややこしいおっさんになってしまったのです。他人事ではないと思いました。以前の私は子供好きな好青年でしたが、インターネットに出会ってからは、匿名の力を利用して言葉の暴力で他人を痛めつける卑怯者になってしまったからです。