トイストーリー2

中学生の頃、私はイケてないグループに属していました。メンバーは、コウジ、ショウダ、ヨシヒコ、ミズタニ、私の五人。このコウジというのがひょうきんな奴で、体育祭の応援合戦では森の妖精の恰好をしてレベッカの曲に合わせてダンスしましたし、私がコックリさんをバカにした時には「しねしねしねしねしね」と五十音などが書かれた紙がボロボロになるまで激しくこすり続けました。コウジはいつも皆を笑顔にさせるマスコット的な存在だったのです。そんなある日、何の前触れもなくコウジから「ミズタニを無視することになったから」と告げられました。理由を尋ねると「一緒に東京に行った時にTシャツにネクタイしめて来たんだよ〜」とのこと。「シーさん(私のことである)の性格は知ってるけど、ミズタニのためでもあるんだから」と説得されるも、なんのことやらサッパリ意味が解りません。私はその後もミズタニと喋っていました。しかし、コウジとその一味は完全無視を決め込んでいましたから、気づいた時にはミズタニはイケてないグループから離脱し、イケてるグループに移籍しており、クラスの女の子たちと気軽にお喋りできるくらいにまでランクアップしていました。そして、私はイケてるグループにもイケてないグループにも属していないボッチになっていたのです。『トイストーリー2』はウッディが希少価値の高いコレクターズアイテムであることがわかり、今までお世話になったアンディと仲間たちと別れるのは辛いけど、あとあとのことを考えれば日本の博物館に行ったほうがいいのではないか、と悩む映画でした。