トイストーリー

恋人と初めて会った日のことです。恋人はブログが面白い女だということは解っていましたし、ちょっと頭がおかしいだけでメンヘラではなさそうだったので、申し分のない女だと思いましたが、ひとつだけ気になることがありました。女はtwitterで某有名おもしろブロガーをフォローしていたのです。私はそのことについて単刀直入に尋ねてみた。「あなたは某有名おもしろブロガーをフォローしていますね?知り合いですか?」「いや、知り合いではないです」女は答えを選ぶように視線を泳がせながら答えた。「じゃあインターネットで仲良しなんですか?」私は少し語気を強めて質問を続けた。「いや、インターネットでも別に仲良くないです」「え?じゃあなんでフォローしてるんですか?」「いや、わからないですけど、なんとなく…」「解せないなあ…。あ、別に責めてるわけではないんですよ。ちょっと気になったものですから」それからしばらくしたある日、女は有名おもしろブロガーをリムーブした。『トイストーリー』はウッディというカウボーイ人形が新しくやってきたバズという宇宙人形に嫉妬して殺そうとする映画でした。たかがアニメと高をくくっていましたが、蓋を開けてみたら、ひたすら人間の醜い部分を見せつけられる厳しい映画でした。