サラマンダー

サラマンダー [DVD]

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中学生の頃、私は坊主頭にしなくてもいいという理由だけでバドミントン部に入部した。バドミントン部には、地元じゃ少しは名の知れたワルのトオルと、トオルの幼なじみのヒロシも入部してきた。二人は入部した時から新人離れした技術を持っており、その実力は上級生にまじって大会に出場しても、必ず一つや二つは勝利をおさめるほどだった。二人には出遅れる形にはなったが、私も極端に真面目な性格が幸いして、二年にあがる頃には、トオルとヒロシに次ぐ中心選手に成長していた。そして、私たちは、いつしか行動を共にするようになった。そんなある日、学校が騒然となる噂が駆け巡った。北中が攻めてくるというのだ。すぐさま三年の番長グループから連合軍結成の指示が出され、トオルとヒロシが中心になって二年をまとめることになった。私は幼い頃から争い事を好まない優しい性格であったが、栃木の中学生理論に洗脳されていたうえ、トオルとヒロシに仲良くしてもらって調子に乗っていた。私はトオルが学年を代表するワルどもを集めて作戦会議を開いているところに近づくと、真剣な表情を作って輪に加わった。「コイズミとニシカワは一年をまとめてくれ」「よっしゃ!」「タロウとタケシタは何か盾になるような物を探してこい」「おうよ!」トオルはワルどもにテキパキと指示を出した。「よーし!みんないくぞー!」「おー!」全員で気合を入れて作戦会議は解散した。しかし、私には何の指示も出されなかったし、北中も攻めてこなかった。『サラマンダー』は地底で眠っていたドラゴンが目覚めて地球がめちゃくちゃになる映画でした。ガサツとナイーブが「サラマンダーを倒しに行くぞ!」「危ないから行っちゃダメだ!」と大喧嘩して、ガサツだけが仲間を引き連れてドラゴンのいる町に出かけるんだけど、町の入口に着いて「よーし!みんないくぞー!」「おー!」と気合を入れたところで、ドラゴンがピューって飛んできて、ゴーって火を吹いたら、簡単に全滅させられてしまったので笑いました。