プレデターズ

「もう二度と会社の飲み会になど参加するものか」忘年会から帰る車の中で、そうココロに決めたはずなのだが、親睦会の会長を務めている以上、こんどの会社の飲み会にも参加しないわけにはいかなかった。「釣りはやらねえのか?」年長者のキムラが尋ねてきた。キムラの生意気な言い方に少々イラついていた私は、グラスに浮かぶ氷を見つめたまま「やりませんねえ」とだけ答えた。キムラは不機嫌そうな表情で「あー駄目だ。あの感触を知らねえからだよ。あの感触を一度味わえばやめられねんだから。あの感触を知らなくちゃ駄目だな」と何度も何度も同じことを繰り返し喋り始めた。実は私は人生の中で何度か「釣りでもやってみようか」と思ったことがある。実際に魚を釣りあげたこともある。さほど大きな魚は釣れなかったが、釣竿から伝わってくる魚のパワーの感触は、今でもこの両手にしっかりと残っている。しかし、魚釣りは全く面白くなかった。「あの感触を知らねんだんべ!あの感触を知らねえからだよ!」キムラは執拗に責め立ててきたが、私にはキムラにかまっている時間などなかった。『プレデターズ』は宇宙人が人間を狩る映画でした。シュワと戦っていた頃のプレデターは、戦士としての誇りを持っており、崇高な精神すら感じられたものですが、今のプレデターは堕落してしまいました。奴らは下品に殺戮を繰り返すだけ。まるでどこぞの成金ハンターです。