バッド・ルーテナント

バッド・ルーテナント [DVD]

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こんな私にも中学生の頃には友だちがおり、友だちグループのたまり場に集まっては、主にファミコンで遊んでいました。そんなボクたちの聖域に、酒や煙草が持ち込まれるようになったのは、中二の夏のことでした。その時どう思っていたのか記憶が消去されているため全く思い出せないのですが、友だちが酒や煙草をやりだすたびに、私は何らかの理由を付けて、たまり場から出て行きました。そんなある日、私以外の友だちグループのメンバー全員が、体育館に一列に正座させられて、体育教師から厳しい説教を受ける、という事件が起こりました。飲酒と喫煙が学校側にバレたのです。それ以来、なんとなく友だちグループとは疎遠になり、卒業後は完全に交流が途絶えました。

それから20年以上経った一昨年の春のことです。私はお母さんに、栃木県民は民度が低いから友だちができなかったのだ、という話をしていました。すると、お母さんは驚くべき事実を語り始めたのです。「あんたが中学生の時に"最近なんで友だちと遊ばなくなったの?"って訊いたら、"お酒飲んだり煙草吸ったりするからヤダ"って言うんだよ」「へー、ぜんぜん記憶がない」「それで、お母さん学校にそのことを言いに行ったんだよ」「え?チクったの?」「うん」「え?じゃあ、僕に友だちがいないのは、お母さんのせいなんじゃないの?」お母さんは「そうかもネ」と言ってケラケラと楽しそうに笑いました。私も一緒にケラケラ笑いました。

バッド・ルーテナント』は、ニコラス・ケイジ刑事が麻薬をやりすぎて頭がおかしくなる映画でした。いよいよニコラス・ケイジの頭がおかしくなってくると、行動のほとんどが麻薬をゲットするための後先考えない行動になってきて、ワケのわからないことをまくし立ててゲラゲラ笑い、愉快な幻覚を見てボンヤリしているので、ニコラス・ケイジの頭がおかしくて面白い!と思いました。それにしても麻薬をやる人は、なんで「麻薬やろうぜ!」なんて思うのかなと考えていたら、中学生の頃の辛い思い出がよみがえってきたというわけです。