ダークシティ

ダークシティ [Blu-ray]

ダークシティ [Blu-ray]

暗闇の中で目を覚ますと、自分が猛烈な尿意を感じていることが解ったので、布団を抜け出して便所へと向かった。懐中電灯がわりに手にしたスマホに目をやると、午前五時十五分だった。リビングを通り抜けて便所の扉を開ける。便所に腰を下ろしてすぐにツイッターを見ようとしたが、何故かツイートの内容が全く頭に入ってこないのでやめた。小便を流して布団に戻ろうとした時、ウイーン、ウイーン、というモーターの作動する音のような音が聞こえていることに気づいた。動きを止めて耳を澄ますと、その音は階段の下から聞こえてきていることが解った。一階は両親の居住スペースである。宇宙船に連れ去られていなければ、まだ布団の中でスヤスヤと眠っているはずだ。私は音をたてないように忍び足で階段を下りて行った。音の鳴る方へと進んで行き、風呂場の扉を開けると、湯船から洗濯機に水を汲み上げるポンプが、ウイーン、ウイーンと唸っていた。私はポンプのスイッチを切ると、二階に戻って布団に入って寝た。ダークシティという映画を妻に見せてやりたいと思ったが、栃木にダークシティはなかった。しかし、ツタヤが発掘してくれたので、ようやく見せてやることができた。よかった。